就労継続支援B型事業所ってどんなところ?を詳しく解説!
就労継続支援B型事業所の利用を考えている方へ!
就労継続支援B型は、障害や難病のある人が利用できる障害福祉サービスのひとつです。A型と違い、雇用契約を結びません。障害や年齢、体力などの理由から、一般企業などで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供しています。就労継続支援B型に通うと、働くために必要な知識や能力向上のための訓練を受けることができるほか、生産活動に対する対価として「工賃」を受け取ることができます。
利用に関しては年齢制限はなく、1日のうち数時間だけ、週1回から通える事業所もあるので、自分の体調や希望に合わせて無理なく働くことができます。
就労継続支援B型とは
就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つであり、一般企業で雇用契約を結んで働くことが難しい方々に対して、働く機会や訓練を提供することを目的としています。このサービスは、障害や病気を持つ方が自分のペースで働ける環境を整え、社会参加を促進することを目指しています。
対象者
就労継続支援B型の対象者は以下の条件に該当する方です。
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった方
- 50歳以上の方または障害基礎年金1級を受給している方
- 就労移行支援事業者などによるアセスメントで就労面の課題が把握されている方
特別支援学校を卒業した学生が利用する場合は、在学中にアセスメントを受ける必要があります。また、障害者手帳がなくても主治医の診断書があれば利用可能です。
提供されるサービス内容
就労継続支援B型では、「生産活動」と呼ばれる軽作業が中心となります。具体的な仕事内容には以下のようなものがあります:
- 農作業
- パンやお菓子などの製造
- ミシン作業や手工芸
- 清掃業務
- 袋詰めや値札付け
- 簡単なパソコン入力作業
- 製品の梱包作業
このような作業は事業所によって異なり、利用者の能力や希望に応じた柔軟な働き方が可能です。勤務時間や日数も相談できるため、自分の体調に合わせて無理なく働くことができます。
工賃(給料)
就労継続支援B型では、雇用契約を結ばないため「工賃」と呼ばれる形で報酬が支払われます。令和4年度の調査によると、平均月額工賃は約17,031円であり、時間給に換算すると243円程度です。
各自治体で工賃を上げるための取り組みはおこなわれており、工賃は上昇傾向にあります。ただし工賃の月額平均額は事業所ごとに格差が大きいという課題もあり、2018年の調査データでは、上位25%の事業所では28,377円に対し、下位25%の事業所では6,328円と、約4.5倍の差があることが分かりました。
もちろん、事業所の選定基準は工賃だけでなく、支援内容も重要ですが、この背景を加味して利用する事業所を選ぶといいでしょう。
利用料
利用料は非課税かどうかで変わってきます。最大37,200円になるので、工賃より高くなってしまう場合もあります。
世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|
生活保護受給世帯 市町村民税非課税世帯(世帯年収約300万円以下) 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合 | 0円 |
市町村民税課税世帯(世帯年収約670万円以下) | 9,300円 |
上記以外 (20歳以上の入所施設利用者、またはグループホームを利用する市町村民税課税世帯を含む) | 37,200円 |
障害者手帳は必須ではない
就労継続支援B型は障害者手帳を持っていなくても利用することが可能です。しかし、福祉サービスを利用するためには、自治体に「受給者証(障害福祉サービス受給者証)」の申請・発行が必要になります。
その際、障害や病気の証明となる書類を提出する必要がありますが、主治医の診断書や「自立支援医療受給者証」などがあれば利用申請ができます。そのため、まずは主治医に利用したい旨を相談しましょう。
利用手続き
利用を希望する場合は、まず主治医に相談し、その後市区町村の障害福祉窓口で利用申請を行います。受給者証が交付された後、希望する事業所と契約し、利用開始となります
就労継続支援A型とB型の違い
就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
---|---|---|
雇用契約 | あり | なし |
対象者 | ・就労支援を利用したが雇用に結びつかなかった方 ・特別支援学校を卒業後、就労に至らなかった方 ・就労経験があるが現在は就労していない方 ・原則18歳~65歳未満の方 | ・就労経験があり年齢や体力などの理由から、一般企業で働くことが難しい方 ・50歳以上、または障害基礎年金1級受給者 ・上記以外で、就労移行支援事業者等によるアセスメントで就労面に関する課題が把握されている方 |
報酬形態 | 給料(最低賃金以上) | 工賃(最低賃金に満たない場合もある) |
利用期間 | 制限なし | 制限なし |
利用者数 | 約7.2万人 | 約26.9万人 |
A型の詳細はコチラ
↓
就労継続支援B型事業所の選び方
作業内容や雰囲気、支援に対しての考え方など事業所ごとに大きく変わります。なので、実際に利用し始めたら自分に合わなく、通うことが重荷になってしまっては意味がありません。そのため、事前の相談や見学が重要となりますが、その際にチェックするべきポイントを4つ紹介します。
作業内容が対象者にあっているか?体調に合わせて働けるか?
事業所ごとに仕事や作業の内容は多岐に渡ります。やりたい作業や経験を積みたい仕事がある一方、自分の体調などを考慮し、無理せずに続けられるかを考えましょう。利用開始後のミスマッチを減らすためには、できれば事前に数回の見学・体験をさせてもらうと良いでしょう。
事業所の雰囲気は自分にあっているか?
作業内容だけでなく、事業所の雰囲気も重要です。良い雰囲気の事業所であっても、自身の性格や働き方に合わなければ嫌に感じるかもしれません。なので、利用者同士の様子や、サポートしてくれるスタッフの様子、環境などストレスなく利用し続けられるかを確認しておきましょう。
しかし、実際に働いてみないとわからない部分もあります。近年では、事業所の様子をSNSで発信していることもあります。SNSをチェックするのもお忘れなく!
工賃の金額も確認しましょう
先述した通り、就労継続支援B型は事業所によって工賃に大きく差がある場合があります。もちろん、B型は工賃の高さだけで利用を検討するサービスではありませんが、あまりにも低い場合は長く続けられるか分かりません。
あなたがB型の利用において何を重要視するかによりますが、工賃も重要視する場合は事前に確認しておくと良いでしょう。
事業所までのアクセスは?
週に何回利用するかによっても変わりますが、事業所までのアクセスも重要です。時間や体力、交通費などの面で、事業所までの往復が負担に感じてしまえば、利用を続けるのが難しくなってしまいます。
事業所によっては交通費の支給や送迎のサポートをしてくれる場合もあるので、必ず確認しておきましょう。
まとめ
就労継続支援B型事業所は、障害や病気を持つ方が自分のペースで働ける環境を提供する大切な場です。一般企業での雇用が難しい方でも、自分らしく仕事に取り組み、社会参加やスキルアップを実現できます。
- 特徴:雇用契約を結ばず、利用者一人ひとりの特性や能力に応じた作業を提供。
- 対象者:障害や病気により、一般就労が難しい方。
- メリット:生活リズムの安定や自立支援、コミュニケーションの機会など。
就労継続支援B型事業所は、地域での生活を支える重要な存在として、利用者と社会をつなぐ役割を果たしています。利用を検討する際は、自分に合った事業所を探し、見学や相談を通じて理解を深めていきましょう。